不自由な雨曝し

徒然なるままに、惰文を貪る。

清掃業について

僕は清掃業をしているので、折角なので、この仕事について少々。

まあ、あまり深堀りするつもりはないので、さわりをさらっと。

清掃業と言っても、ざっくり三種類あります。細分すると色々あるでしょうが、あくまで建築クリーニングというジャンルでの事です。

1、メンテナンス

2、退去清掃(空室清掃)

3、新築クリーニング

おおまかに、この三種類です。

1、メンテナンス

主に、企業が対象です。事務所や店舗などの定期メンテナンスです。自然汚れ(雨風で汚れたサッシガラスなど)生活汚れ(床や水回りなど)の清掃です。お客さんによって、頻度や清掃箇所が違い、当然費用も変わってきます。

最近では、個人で頼む人も増えているそうですね。水回りやクーラーなど。

2、退去(空室)清掃

マンションやアパートなどの賃貸物件が対象。たまに戸建てもあります。引っ越しをして、次の入居者が入る前に清掃します。生活汚れがメインで、特に水回りが大変です。ちなみに、水回りとは、風呂場、トイレ、キッチンなどです。長年住んでいた独身男性の部屋は、地獄絵図のようになっていることが多々あります。僕は、これが大嫌いです。

賃貸物件で、人が亡くなった部屋の清掃は、特殊清掃なので、また少し勝手が違います。僕はやった事がないです。やりたくないです。金額は良いそうですが。

3、新築クリーニング

俗に言う、工事現場での清掃です。新築の物件の清掃を行います。これは1,2、とは全くの別物で、工事汚れを清掃します。僕はこれがメインです。

「新築なのに、どうして掃除するの?」と良く聞かれますが、新築=綺麗っていうのは、僕達が清掃しているから、綺麗なんです。工事現場ですからね、めちゃめちゃ汚れています。大工が木を切ったり、ハツリ屋がコンクリートを削ったりしてますからね。基本、他の業者さんは、自分の仕事をしたら、やりっぱなしなので、とても人が使える状態ではありません。汚したら、汚しっぱなしです。清掃業者が尻ぬぐいをします。

噂では、東京には、クリーニング業者がいないとか・・・それぞれの業者さんが、自分の商品をきっちり清掃するそうで。どうなんでしょうかね? 

あくまでも東海4県での話ですが、清掃業者がなくなることは、ないでしょう。他の業者さんが、きっちり掃除していけば、クリーニング屋は必要なくなる。という、可能性は、ほぼないと考えています。犯罪者がいなくなれば、警察がいらなくなる。という考え方に似ている気がします。

新築クリーニングで、最も特殊なのが、外壁タイルの洗浄です。塩酸で外壁を洗っていきます。塩酸は、劇薬なので、肌に触れるだけで、めちゃめちゃ痛いです。火傷したようになります。目に入ったら、悶絶し身動きがとれなくなります。

他には、ガラスにスクレイパーというカッターを当てることくらいですかね。シンナーも常備しています。

三種類の共通点は、最後に床にワックスを塗るといったところでしょうか。最近では、新築の床材は、ノンワックスの素材が増えてきたので、ワックス無しも多々あります。

この三日間くらい、100軒くらい部屋があるマンションで、ひたすらワックスを引いていました。ワックスマメができました。

清掃業者の呼び名も色々で、「掃除屋」、「クリーニング屋」、「美装屋」、「洗い屋」など、様々な呼ばれ方をします。「洗い屋」っていうのは、新築限定みたいです。ちなみに、現場では若い職人さんからは、「クリーニング屋さん」、年配の職人さんからは、「洗い屋さん」と呼ばれる傾向が強い気がします。

清掃では、意外とケミカルな要素が強いです。酸性やアルカリ性ですね。錬金術師ほどの科学者気質はありませんけど。

深堀りしないと決めたので、詳しい内容は割愛します。気が向いたらいつか書くかも。一応、清掃で飯を食っているので、俗にいうプロなんでしょうけど、清掃に特に興味ないので、こんなもんにしておきます。書いていても別に楽しくなかった。

と、言う事で、先日あったやりとりを少し。

 

現場監督「クリーニング屋さん! この汚れ取れないかな?」

僕「うーん、(無理だと分かっていたけど、一応チャレンジ)取れないですね」

現場監督「えぇ? なんとか、ならないかな?」

僕「無理ですね」

現場監督「なんか、方法ないかな?」

僕「交換ですね」

現場監督「マジか? なんとかしてよ!」

僕「無理ですって! 僕は所詮、掃除屋ですよ? 魔法使いを呼んで下さい」

 

まあ、ざっと、こんなもんです。