不自由な雨曝し

徒然なるままに、惰文を貪る。

街灯引っこ抜き

 きっと、初めての経験だと思います。

「ああ! 写メ撮りたかった!」

 仕事中は、自分のスマホを持ち歩いておらず、仕事用のガラケーのみです。ガラケーでも撮っておけばよかった後悔しきりです。

 僕は、俗にいう工事現場で働いているのですが、今日は奇妙は光景を目の当たりにしたのです。

 そう、道路の脇に並んでいる街灯が、引っこ抜かれていたんです。

 当然、新築のマンションが建つと、元々存在していた歩道や植え込みや看板などは、新しい建物には適していません。車が歩道を通過する為の窪みも新築の建物の入り口には、合っていないのです。そして、いつも現場に行くたびに、建物入り口のど真ん中に突っ立っている街灯が気になっていました。

 そして、今日とうとうスポンと引っこ抜かれたのです。正確には、場所の移動でしたが。クレーンで街灯を引き抜いていました。だいたい10メートルくらいの高さですかね。それが、地上に出ている部分で、その下(地中に埋まっていた部分)は、2メートルくらいでした。しかも、埋まっている部分が、あれはコンクリートですかね? で、分厚くコーティングされていました。まさに、見えない所で支えている、縁の下の力持ちです。その日頃見ることのできない、縁の下さんを目の当たりにして、小さな感動を覚えました。ああ、僕の文章力では、上手く伝えられない。やはり、画像を残しておくべきでしたね。僕の脳裏には、しっかり残っているのですが。

 昨今、災害が増えてきました。特に台風による被害は、多大なるものです。外に出ている部分も夜道を照らすという重大な任務を担っていますが、やはり縁の下さんの力は絶大です。10メートル程の街灯が倒れようものなら、大きな被害を生みます。我々が、当たり前のように暮らしている生活をきっと様々な縁の下さんが、支えてくれていると思うと、感慨深いものがあります。

「目に見えないものを大切にしよう」これは、とても重要なことだと思います。それは、人の気持ちであったり、それは時間であったり、それは空気感であったり、それは、知らない所で自分を支えてくれている何かであったり。

目に見える部分は些細なもので、本質は見えない部分に隠れている。そんな気がします。疑うのではなく、注意を払って、小さな発見をしていきたいものです。